熟年離婚を考える専業主婦へ～財産分与・年金分割・退職金の確実な受け取り方

専業主婦として長年家庭を支えてきたのに、離婚後の生活が不安…。そんな気持ちを抱える方は多いのではないでしょうか？特に経済的な面での不安は大きく、「ちゃんともらえるものはもらえるの？」と心配になりますよね。

熟年離婚では、専業主婦でも財産分与、年金分割、退職金を受け取る権利があります。しかし、きちんと手続きをしないと、後になって「こんなはずじゃなかった…」と後悔することも。

この記事では、専業主婦の方が熟年離婚後に後悔しないために、財産分与・年金分割・退職金の確実な受け取り方を詳しく解説していきます。

熟年離婚で専業主婦がもらえる「財産分与」とは？

財産分与とは、結婚生活の中で夫婦が築いた財産を分けること。専業主婦だからといって「夫が稼いだお金だからもらえない…」ということはありません。

専業主婦も財産分与を受け取れる理由

専業主婦は夫が外で働いていた間、家事や育児をして家庭をささえてきたのです。財産分与の対象になるのは、婚姻期間中に夫婦で築いた財産。妻の支えも立派な貢献です。
たとえ夫の名義であっても、基本的には共有財産とみなされます。

これらは、原則として2分の1ずつ分けられることになります。

専業主婦でも「2分の1」もらえる？具体的な手続き

専業主婦でも財産分与をしっかり受け取るためには、適切な手続きを進めることが大切です。

熟年離婚では年金分割や退職金も忘れずに！

熟年離婚の場合、特に重要なのが 年金分割 と 退職金 です。

熟年離婚の年金分割

専業主婦が不安に思うのは、離婚後の年金ではないでしょうか？

専業主婦の場合、夫の扶養（第3号被保険者）でいる期間が長いため、自分自身の年金は国民年金部分しかありません。（結婚前に会社員だった場合はその分の厚生年金は加算されます）

このため、「夫の厚生年金がないと生活できない…」と思う方も多いですよね。

年金分割とは？

婚姻期間中に夫が納めた厚生年金や共済年金の一部を、離婚後に専業主婦が受け取れる制度です。

年金分割の概要

対象となるのは厚生年金・共済年金の部分です。

年金分割の割合については、最大で2分の1 です。ただし、分割割合は 合意分割（夫婦間の話し合いで決める）か 3号分割（第3号被保険者だった期間に関して自動的に2分の1）かによって異なります。

特に専業主婦（第3号被保険者）の場合、2008年以降の婚姻期間に関しては、夫の合意がなくても 3号分割により2分の1 が分割されます。一方で、2008年より前の期間については、合意分割が必要です。

手続きは離婚成立後2年以内に行う必要があります。

熟年離婚後の「退職金」は専業主婦ももらえる？

夫が退職を控えている場合、「退職金はどうなるの？」と気になりますよね。

退職金の分与概要

離婚時にすでに受け取っている退職金はもちろん財産分与の対象ですが、将来受け取る予定の退職金も財産分与の対象になることがあります。（婚姻期間中の分に相当する額）

いずれも、離婚協議や離婚調停でしっかり主張することが重要です。

退職金を確実にもらう方法

以下のポイントをしっかり押さえて確実に退職金をもらいましょう。

まとめ：専業主婦でも熟年離婚で確実に受け取るために

専業主婦だからといって、離婚後の生活が不安になる必要はありません。財産分与や年金分割を活用すれば、一定の生活基盤を確保できます。

大切なのは、離婚を決める前にしっかりと準備をしておくこと。特に、財産の把握・手続きの確認・必要なら専門家への相談 などを早めに進めておくことで、安心して新しい生活をスタートできます。

熟年離婚は人生の大きな転機。専業主婦として頑張ってきた分、しっかり権利を主張し、安心して新しい生活を迎えられるようにしましょう。